本日は介護のお話です。と言っても、雪舞う2月終わりの出来事で、半年以上も前のこと。高齢者と向き合う以上に、高齢者医療・介護保険制度でできること・できないことの境界線を手探りで確かめていたときの記録です。
病院から病院へ
本日のお供はライカM3とM5のライカコンビ。レンズはズミクロン8枚玉とズミルックス50mmでありました。
雪の日の騒動
我が父は認知症による医療保護入院で病院に入っておりましたが、そこで対応できない何等かの不具合が出てきた場合は別の病院に連れて行かないといけません。その際、病院のスタッフでは対応できないため、家族が付き添う必要があります。
そんな事態が雪舞う最中に起きてしまいました。下血が認められたとか何とかで、入院中の病院では処置できず、総合病院で診てもらわなければならなくなりました。
病院に行ったら医療は受けなければいけない
入院中の病院が手配してくれた介護タクシーに親父を押し込み総合病院へ。本人は状況をどのように理解しているのか、そもそも僕は父がどのように自分を認識し、認識した世界にどのように適応しているのか（してきたのか）知ろうとしたこと、理解しようとしたことがあったのか、彼と接する度に思います。
それと同時に、「下血なんてトイレのとき、お尻を強く拭き過ぎたせいだろう」くらいに思う自分とは裏腹に、世間様の病院は「万が一」を考え、念には念を入れて総合病院の受診を求めます。「病院に入ったからには、問題ありでもなしでも医療行為を受けなければいけない」ことを思い知るのでありました。
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医療・介護従事者の方々が大切にケアしてくださるにもかかわらず、陰に日向に素直にその献身を有り難く受け止められないのは、どうしたことか・・・。心のどこかで「早く死ねばいいのに」という気持ちをどうにも打ち消せないせいかもしれません。その呪詛は結局自分に跳ね返ってくるのに、そしてもしその呪詛が現実になったら嘆き悲しみ後悔するのは自分自身なのに、どうしたものか。
介護で前向きに家族と向き合える人は凄いことだよ。これが父でなく、遠い母だったら、また違った向き合い方になったかもしれないけれど、父にあまりに近すぎて、あまりに似すぎてしまったからなぁ。。。
「こんなこともあったよね」と振り返れる日のために、家族をいつの日か懐かしく愛おしく思える日のために、父を愛し尊敬し、同時に憎み忌み嫌う自分を自分から切り離せるように、果たしてそんな日が来るのだろうか。いつか来るときを願い、明日もまたライカのシャッターを切ろうと思うのです。
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