![ズマロンとズミクロンの逆光性能を比べてみた](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/0R0592562.jpg)
本日はレンズのお話。ライカM3の35mmはズマロン三半で良いかなと思っていたのですが、どうしてもこうしてもズマロン三半で気になることがありました。その気になることが多少の追い風になってズミクロン35mmに入れ替えることにしたのだな。ズマロン三半のどんなところが気になったかというと・・・
ライカM3の35mmレンズはズマロンが良いと思っていた
ズマロン三半を買ったのは2年前の2022年10月のことでした(⇒参考記事)。「大人の修学旅行で奈良県へ行く」というお題目で購入した記憶があります。
ズマロン三半とM3の組み合わせはカッコよかった
![ズマロン三半とM3の組み合わせはカッコよかった](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/1R0592566.jpg)
まず申し上げなくてはいけないのは、ズマロンはマジで良いレンズ。ライカレンズにしてはお求めやすく、品数も豊富で、状態が良い個体が見つかりやすい、なんとも庶民に嬉しいライカレンズであります。
もちろん写りは申し分なく、50年以上前のレンズとは思えないくらい開放からシャープでコントラストが高く、その割に暗部までしっかりすくい上げる、凄い描写力をお持ちです(⇒参考記事)。
メガネ付きズマロンだったのでM3との(装着時の)相性が抜群で、まぁとにかくカッコいいことこの上ない。メガネ付きのレンズ、めっちゃ好きやねん。M3のファインダーをスポイルすると言われるけど、どうせ老眼で見えないのだから問題なし。それよりも、苦肉の策で外部ファインダー化して無理やり視野を拡大させてしまった、当時のライカの心意気を感じたいのでありますよ。
ズマロン三半の気になったところ
そんなズマロン三半ですが、実はそれほど出番が多くなかった・・・。1番の理由は、自分的にちょっとコントラストが強過ぎたのと、あと1つ、これが致命的でした。
フレアとゴーストが厳しい
![ズマロンの逆光は厳しい|Leica M5 + Summaron 35mm F3.5 with goggles + Fomapan200 Creative](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/07592f1164aab4f21846cf57c3241bfc.jpg)
![フレアとゴーストがイマイチ好みじゃないのだった|Leica M5 + Summaron 35mm F3.5 with goggles + Fomapan200 Creative](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/e674e767cb961de5f21c1a344ef556b5.jpg)
誰が言ったか、「逆光は勝利」という有名な言葉がありまして、かくいう私もその言葉の信奉者。M3のシャッター幕に穴が開こうが何だろうが、逆光のときは「待ってました!」とばかりパシャパシャやっておりました。
強い光源をそのまま撮りますと、当然ながらフレア(白カブリ)やゴースト(光点)が出ます。それはそれで(下手な写真を覆い隠せて)願ったり叶ったり。むしろ、だからこそ、積極的に逆光のシチュエーションを好んでおりました。
ところがどうだろう、このズマロン。ちょっと・・・フレアとゴースト、汚過ぎやしませんか(・_・;) ゴーストが出るのは大歓迎なんだけど、もうちょっとこう・・・上品に、キレイに出ていただけるとありがたい。
![イエローフィルターなしでも逆光特性は変わらず|Leica M3 + Summaron 35mm F3.5 with goggles + Fomapan400 Action](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/5d87fd97247f9edf020df18dea29b178.jpg)
逆光のもと、ズマロンで撮ると一事が万事、だいたい↑のようなフレアとゴーストが出てきます。喜び勇んで逆光を撮りたい自分としては、うむ~、これは嬉しくない有り難くない逆光描写でありました。
新しく入れ替えたズミクロン35mmの逆光耐性はどうだろう?
フレアとゴーストの出方がちょっと自分好みからかけ離れていたため、ズマロンの使用頻度が伸び悩んでおりました。それがため、ズミクロン35mmに入れ替えるとなったときも躊躇なかったかもしれません。
ズミクロン35mmのフレアとゴーストはどうだろう?
![ズミクロンの逆光はどうだろう?|Leica M3 + Summicron 35mm f/2 Goggles + Marix 400](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/e6b9e0aabb4de85e068a00940b4d6f3d.jpg)
という訳で、今年の中古カメラ市でズミクロン35mmに選手交代したのだな(⇒参考記事)。購入以来、雨や雪や曇天の日が続き、ズミクロン35mmで逆光の写真を撮る機会がありませんでしたが、遂に先日チャンスがやってきました!
という訳でパシャリとやったのが、この1枚。この1枚だけ・・・。むむむ、ズマロンとの比較対象にはサンプル数が少なすぎるのでは!?
たった1枚のサンプルなので比べるのはご法度ですが、傾向は見えてくるかもしれません。ズミクロン35mmの逆光、フレアもゴーストも、なかなかキレイに出る気配と予感がしませんか!? 特にゴーストは絞り羽根の枚数が多い(ズミクロンのほうが)のが良い影響を与えそうな気がします。
この予感と期待だけで十分も十分。ズミクロンに買い替えて良かったと自分を納得させる安心材料になってくれるでしょう、多分、恐らく。
【番外編】ライカ・オールドレンズの逆光耐性
ズマロンからズミクロン(1950年代後半~60年代前半の製造)にして、ライカのオールドレンズの逆光耐性を期せずしてテストすることになってしまった。なので、この勢いに乗じて、他の手持ちのライカ・オールドレンズの逆光耐性も見てみましょう。
ズミルックス35mm(2nd)は逆光に強い
![ズミルックスは思いのほか逆光に強い|Leica M5 + Summilux 35mm f1.4 + Marix 400](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/22657461e7c8b3ecdf4809c9a841eec4.jpg)
オールドレンズの35mmつながりで言うと、第2世代ズミルックス35mmがあります。球面ズミで、酷い描写だと揶揄されながら30年以上も製造され続けた例のレンズです。
んで、この球面ズミルックスですが、実は意外なことに結構逆光に強い模様。f8以上に絞っているせいかもですが、フレアでやや全体が白カブリしつつ、ゴーストは隅っこにちょこっと出てるくらい。この逆光耐性は思いのほか意外な感じがします。
ズミルックス35mm(2nd)は光に弱い
![ズミルックスの開放は光に弱いw|Leica M5 + Summilux 35mm f1.4 + Marix 400](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/92c22fc8e9ed833d22f90ac8a6a35478.jpg)
絞ると意外なほどに逆光への強さを見せた球面ズミルックスですが、開放だと、うわぁなんじゃぁこりゃあwww ひどいゴーストwww
そんな難しい光のシチュエーションじゃないと思うんですけど、一体、どこの光源を拾ってかくも盛大に乱反射したのか!? ズミルックスの開放、ほんとダメだな大好きw
ズミクロン50mmは素敵だ
![ズミクロン50mmの逆光|Leica M3 + DR Summicron 1:2/50mm + Marix 400](https://www.leica-travelogue.com/wp-content/uploads/aea5d3969d0de0523a3dff03d8ce3196.jpg)
手持ちのライカ・オールドレンズということで、番外編をもう1つ。こちらズミクロンの50mmのほう。1950年代後半の製造で、製造年代は35mmより少し早いくらいです。
んで、このズミクロン50mmのフレアとゴーストですが、これはなかなか上品なような?? 絞りの影響か、ゴーストに若干クセがありそうに見受けますが、そこまで(ズマロンほど)気になる要素ではありません。
フレアのおかげで逆にコントラストが出てメリハリがつくように見えるし、ふむふむ、ズミクロン50mmの逆光は素敵だ。ズミクロンは35mmも50mmも素晴らしいでありますよ、
という訳で、興味深かったズマロン三半の逆光性能と他のオールドレンズの比較でありました。偶然なのか個体差なのか、それともレンズの格付け(グレード)の違いによるものなのか、レンズによって逆光性能(逆光時の描写)は結構違うものなんですね、勉強になったわ。
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