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認知症発覚と要介護認定、医療保護入院に至るまで。家族と向き合うラストチャンスをズミルックスで

本日は介護のお話|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
本日は介護のお話|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

本日は介護のお話。長らく放置していた親が、医者の判断により医療保護入院となりました。本人も1人では暮らしていけないと分かりつつ、施設(病院)につなぐまで1年以上もかかってしまった。介護というのは、とどのつまり家族関係の慣れの果てで、その後処理に、残された人間がどう向き合うのかを問われる、何とも気の滅入るプロセスのようです。

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認知症と要介護認定に至るまで

ことの起こりは15年近く前に母が他界してから。男子の宿業か運命か、どういう訳か家族から疎まれていた父が1人で暮らしていくのが難しくなりました。

認知症に至るまで(息子の視点から)

これまでの経緯|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
これまでの経緯|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

母が死んで以来、ずっと1人暮らしだった父は、元来、人と距離を置く性格で、娘・息子とも疎遠のままでした。そんな父に異変が起こり始めたのはコロナ禍が始まる前のこと。父が残した記録を読むに、定年後の再就職(実際には再々就職)でミスが頻発して職を辞し、そのままコロナ禍に入って、さらに社会から疎遠になった模様。

母しか頼る人(話す相手)がいなかった父が、さらに孤立を深めたことで起こったのは、認知機能の極度の低下という事態でした。

気が付いたときには、ときにすでに遅し。家はぱっと見、整って見えるものの、埃が溜まり、窓ガラスや窓枠、壁、床はカビだらけ。栄養は激しく偏り、清潔は疎かになり、風貌は乱れ、目は白濁しておりました。

窮状を知る

父の窮状を知る|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
父の窮状を知る|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

その状況を知ったのは、恥ずかしながらご近所からの連絡があったからでした。もともと疎遠だったのが、コロナ幸いとばかりにさらに連絡不行き届きになって放置し、あわよくば忘れかけていたところに突然の連絡。

聞くところによると、父がうろついているところを見かねたご近所の方が家まで連れて行き、そこで僕ら肉親の連絡先を見つけて連絡してきたそう。その連絡がなければ、本当に死ぬまで知らんぷりしていたかもしれません。

要介護認定に至るまで

要介護認定の申請はお早めに|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
要介護認定の申請はお早めに|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

とは言いつつ、父の窮状を知り、近所にも不安を抱かせていると知ったら、さすがにどんなごくつぶしの息子でも放置しておく訳にはいきません。幸いなことに、昔の人間にしては珍しく父は家事全般何でもできる人。その分、介助の必要は少なかったのですが、これが逆に仇となりました。

何でも自分でできる分、肉親はもちろん、医者や公的機関からの介入を嫌がる嫌がる。一度言い出したら、人の言うことは聞かない性格なだけに、嫌がる気持ちを変えることはできません。「自分1人ではもう無理」と思ってもらうまで1年以上かかりました。

もちろん、そう思ってもらうにはそれなりの代償を伴うもので、観念したときには足腰が弱々。買い出しは不可能になり、近所の外出も困難。挙句に排泄のための移動も難しくなっていました。

医療保護入院、そしてこれから

本人が「もう無理」と諦めたことで、ようやく要介護認定を申請できるようになりました。そこからは行政および関係機関にお世話になりっぱなしです。

時間を要する要介護認定

要介護認定が下りるには1ヵ月かかります|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
要介護認定が下りるには1ヵ月かかります|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

「もう無理」と本人が言い始めてから(実際のところ、言ったことはまったく覚えていない)地域包括支援センターに連絡。すぐに要介護認定が下りるのかと思ったら、ところがどっこい、要介護認定はそんな簡単なものではありませんでした。

父が医療を受けていなかったこともあり、認定前に何回かの訪問診療を実施。主治医がいなかったので、訪問診療で来てくれたお医者さんに主治医となってくれるようお願いしました。

主治医の診断を踏まえて、ようやく行政による要介護認定の審査に移ります。その間要した時間は2~3ヵ月。

要介護認定を申請しても、認定が下りるまでは、なお時間がかかります。父の場合も認定が下りるのに1ヵ月待ったと記憶。その頃には自力で歩くのが、かなり覚束なくなっておりました。

医療保護入院とその先

医療保護入院とその先|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
医療保護入院とその先|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

常にドタバタで、緊張感が続く状況でしたが、幸いだったのが主治医が精神科医だったこと。主治医の診立てはかなり悪く(という印象)、僕含む親族も同居の準備ができていないと判断したのでしょう。精神保健福祉法にもとづく「医療保護入院」が必要という診断になりました。

医療保護入院とは、家族等の同意を得て、法律の定める範囲内(入院開始から6ヵ月が過ぎるまでは3ヵ月以内、医療保護入院開始から6ヵ月が過ぎてからは6ヵ月以内)で入院する制度のこと。症状が緩和し体力も回復したらどうなるのか、仮に退院できても(1人暮らしは無理だとしても)親族と同居でまた状態が悪化してしまうのではないか等々、この先については分からないことだらけです。

入院の効果は凄い

入院の効果は目を見張る|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200
入院の効果は目を見張る|Leica M5 + SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + KODAK Color Plus 200

そんな状況ですが、やはり医療従事者の監督のもと、栄養や運動が適切に管理されている状況での回復状況は目覚ましいものがあります。認知機能はさておき、移動などの身体機能の回復は特に目を見張るよう。

今まで椅子や寝床から立ち上がるのすら困難だったのが、ひょいっと立ち上がってスタスタ(というほどでもないけど)歩けるようになっていたのは、正直驚きました。もし仮に退院して一緒に住むことになったら、逆に徘徊が心配になるくらい。少なくとも、僕含む親族と同居するほうが健康を害しそうな気がします。

という訳で、本日は現在向き合っている介護の概況について。今まで疎遠だった父と、ようやく(噛み合ってないけど)コミュニケーション取れるようになったのは、何たる巡り合わせか。介護者として腹が立ったり、意気消沈したり、体力よりも精神が摩耗することが多いですが、親と向き合い、親との関係から自分と向き合う、貴重にして最後の機会ではないかと思っております。

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